20160418

イギリスのスーパーポッシュな助産院の話。

皆さま1度は聞いたことがある思いますが、こちらイギリスでの出産は有料のプライベート病院か無料のNHSのどちらかになります。
私はプライベート病院で出産出来るほど裕福でないので、プライベート病院での出産なんて最初から選択肢にもなく、もちろん無料のNHSで出産しました。


ロンドン中心部Great Portland StreetにあるPortland Hospitalという病院は、イギリスで唯一のプライベートの助産院だそうで、キャサリン妃やビクトリア・ベッカムなんかも出産した有名な助産院。
先日Five Star Babies: Inside the Portland Hospitalという、その病院のドキュメンタリーをやっていたのでみてみたら面白かったので、ちょっと紹介したいと思います。


何が面白いって、もはや全く別世界で起きている話のようで、自分にとってすごく非現実的だったから。
ヨーロッパでもトップクラスのこの助産院には、イギリスのセレブリティだけでなく、中東のプリンセスや他国からわざわざここに来る人達もいるようです。


こちらの病院で出産すると、最低10000ポンドかかるらしく、そこにさらにコンサルタント料として8000ポンド(指名する場合はその倍)、宿泊代に1泊1200ポンドからと、上乗せされていきます。
上の写真で真ん中で赤ちゃんを抱いている女性は、基本10000ポンドかかると言われ、血液検査やスキャンなどでさらに10000ポンドかかり、部屋代やら何やらで結局40000ポンド近く支払ったそう。

ここでいうコンサルタントというのは、日本でいうところの担当産科医と言うのかな。
コンサルタントは、妊娠から出産後まで関わり、検診には患者の好きなだけ時間を費やせるとのこと。
普通NHSで出産するとなると、妊娠中の検診〜出産に担当ミッドワイフは特にいなくて、その時々で違います。
なので、出産の時も全くの初対面の人が担当になります。
なんなら、出産中もシフト交代で途中で違う助産師さんに代わります。
私はそうでした。
コンサルタントは、決してこのPortland Hospital専属ではなくNHSでも働いています。


この病院は、病院でありながら5つ星ホテルでもあるというのが根底/売りであり、この病院を選んで来る人達は常にそういう扱いを求め・受けている人達で、その人達にとってはラグジュアリーなホテルサービスは当たり前のこと。
ドーチェスターホテルやその他の有名ホテルをモデルにしているようで、この病院のケータリングマネージャーは、ドーチェスターホテルからヘッドハンティングされたそう。
例えば食事1つ取っても、メニューにはフォアグラやロブスターや牡蠣、そしてドンペリなんかも用意していて、クオリティはもちろんのこと、プレゼンテーションにもこだわっているんだとか。
ちなみにNHSでの食事は一食1番安くて90ペンスほどらしい。苦笑


この病院の大きな売りの1つとして、ナーサリーがあるということ。
NHSで出産した場合、問題がない限りは24時間以内に退院が普通だけど、この病院は数日間入院可能。
入院中は母子同室も可能だし、本人が希望すればナーサリーに預けて別々に過ごすことも可能。
赤ちゃんはナーサリーにいる間、係りの人が授乳したりオムツを替えしたりするので、母親は自分が会いたい時に会って、自分で授乳したい時は自分ですればいいだけ。
自分で会いに行くことも出来るし、赤ちゃんを自分の部屋まで連れてきてもらうことも出来ます。
だから、母親は退院までの間ゆっくり、十分休むことが出来ます。


バースプランも自分の希望通り聞いてくれるので、最初から帝王切開(caesarean section, 通称C section)を選ぶことも出来、病院側も患者の選択を理解し、必要なインフォメーションを伝えた上で、しっかりサポートしてくれるとのことです。
もちろんNHSでの出産を選んでも、バースプランを考えておくよう検診時ミッドワイフから言われると思うけど、恐らくほとんどの場合バースプランそっちのけでお産は進んでいくと思われます。
多分その理由の1つとして、毎回違うミッドワイフと検診して、最終的に出産することになるためかと。
実際妊婦の方もバースプラン通り進めたいと思いながらも、それを訴える程の余裕もないし。
ところで、この病院では半分くらいの女性が帝王切開を選ぶみたいですが、以前私が行っていたEast Londonの病院での両親学級で、West Londonの方の(富裕層が多い)病院での帝王切開率と無痛分娩率は、そのEast Londonの病院に比べたら圧倒的に高いと言っていました。
NHSでの出産の場合、無痛分娩を選ぶことも出来るしもちろん無料ですが、こちらPortland Hospitalでは9000ポンドするらしい。


この番組に出てくる香港出身の女性(上の写真中央の女性)が、もし今ほど裕福でない状態での出産・子育てだったらどうかという質問に対して、無理無理!死にそう!冗談、てへぺろ、でも超必死に働くと思う、と。
そして病院のナーサリーマネージャーの女性に、お金があれば子育ては楽だと思うかと質問したところ、彼女の答えはイエス。
お金がない状態での子育ては、欲しいものも買えないし、やらなきゃいけないこともたくさんで、すごくストレスフル、その一方で、この病院にいる人達はそんな心配はない、世界は不平等なんだよ、と。
実際その香港出身の女性も産後1番の心配事は、自分が出産したことで、旦那さんが他の女性に取られないかということ。
奥さんには産後も今まで通りの体型・見た目でいて欲しいと言っている男友達が多いし、そのためにも一刻も早く仕事復帰して妊娠前の状態に戻りたいんだと。
もう1人の女性は、ほとんどの女性は産後もベストの状態でいたいって言うと思うけど、私にとってはまず赤ちゃんが最優先だから…と、顔にパウダーはたきながらインタビューに答える彼女。笑


とにかく異世界の話といった感じで、興味深かったし面白かったです。
来週もう1話あるので、楽しみです。
次回はVIPの出産話らしいので、どんな方々なのか興味津々過ぎて待てませーん(^ω^)
BBC2で水曜21:00からなので、興味ある方是非ご覧下さい。



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